Producer Team Member
President & Representative Director
Hiroshi
Nagaya
長屋 博
新規事業立ち上げや企業改革、M&Aなど百戦錬磨の経験を持つ経営者。
株式会社一貫堂のほか、ジェイプリント(株)、(株)長屋印刷、東桜ビル(株)、(株)THE CO代表取締役。上場企業(株)ケア21の取締役、(株)月刊総務のオーナーを兼務する。
1952年生まれ。一橋大学商学部卒。銀行勤務後に家業である長屋印刷に入社。アスクル創業期の初期代理店で売上規模は全国代理店でも上位に位置する。購買プラットホーム「Kobuy」は上場企業、学校法人を中心に活用されている。
趣味はゴルフ・陶芸・料理・アート作品の鑑賞。
chapter01家業に戻り、積極的に改革を進める
一橋大学を卒業後、親の意向もあり地元の銀行に入行。外為部門、窓口業務、営業などを経験したのち26歳で家業の長屋印刷に入社しました。
最初のミッションは東京工場設立。最初は少人数だったため印刷紙の積み下ろし、印刷、請求書管理から決算まで全部を経験する事になり、機械のオペレーションやメンテナンスなどを知ることができました。
その後、営業として1社を担当しながら、新規営業もやりました。
入社後半年ほど経った頃、社長であった母親が本社の経理課長を突然解雇してしまい、私が戻って経理を担当することになりました。元帳が未収金だらけ、残高も合わず、机には請求書が山積み。それを3、4日で銀行に回さなければ間に合わないと言われました。急遽発注システムを流用して請求書が自動的に発行できるオートメーションシステムを作り、数時間で処理が終わるようになりました。
営業部では、価格表もなく、業務フローもありませんでした。マニュアルを作成したところ、反発を受けましたが皆を説得。結果、マニュアルの価格表からどれくらい割り引くか?という営業が浸透して上手く回っていきました。
社内で猛反発されながら、次はデザイン部門20名の改革をやりました。40店舗分の両面チラシを毎週つくるというハードなスケジュール。現場はオーバーワークで退職者が続出している状況でしたので、アルバイトの補充と意識改革で何とか乗り切りました。
その次は工場改革です。後継者候補ではあるものの、私の言うことは誰も聞いてくれませんでした(笑)。痛烈な洗礼を受けました。そんな状態だったので、日本酒とつまみを買ってきて、工場の床に包装紙を敷き、自分で歓迎会を企画。工場の従業員と握力勝負をし、私は握力だけは強かったので勝つことができて、上下関係を勝ち取りました(笑) 。
管理手法としては、タスク管理や時間管理に「ゲーム性」を持たせながら分かりやすくしました。仕事に勝ち負けをを取り入れたことで、生産性が上がっていきました。
chapter02文具の通販業界に進出して、大きく飛躍
生産性が上がってきたとはいえ、印刷業界も厳しい経営環境になりつつありました。そんななか、文具通販の代理店をやりませんか?という営業FAXを見つけました。以前より自分が考えていた仕組みと近い!と思い、すぐにやります!と返事をしました。それが1993年のアスクル創業の時です。
長屋印刷の一ブランドだった「一貫堂」を切り出して法人化し、営業力強化のため私が社長になりました。まずは名古屋を基盤に営業をかけ売上も順調に伸びました。大きく成長できた理由は、中小企業の開拓ではなく中堅・大手企業の開拓を行ったことです。人脈を辿り、積極的に大手企業に行きました。大手のガス器具メーカーやハウスメーカーなどのお客様が開拓でき、今でもアスクルをご利用いただいております。
当時の平均的な文房具販売の粗利率に比べ、アスクルの粗利率はかなり低かったのですが、通販なら十分成長できる確信はありました。同時期にアスクル事業に参入した代理店の中には、現在では売上が200億円にも上る企業が出ています。
chapter03購買管理システム「Kobuy」をスタート
2017年、お客様の業務効率化に繋がる仕組みが必要だと感じ、自社で購買システム「Kobuy」を構築、サービスインしました。事務用や他の商品を主軸としている通信販売業者やAmazonなどの対抗として始めたサービスでした。
最初はなかなかバイヤー企業が増えませんでしたが、サプライヤー企業として工具通販大手「Monotaro」が参画してくれたことを機に、理化学専門商社の「アズワン」も参画いただき、バイヤー企業も増えていきました。今では、「Amazon」にも参画いただいています。
アスクルはAmazonのB to B参入に危機感を持っていました。対抗措置として、私たちは法人のお客様のアナログ環境を受け入れてデジタル化と業務効率化を進めていました。アナログ環境を受け入れたことで、Amazonからも一貫堂と組んだ方が楽だという話に落ち着いたようです。おかげで、お客様にとって、とても便利で、関係者がみんなハッピーになる仕組ができました。
chapter04地方創生プロデュース会社 THE COの設立
「THE COは」日本の底力をアップさせるためのプラットフォームです。地方にある資産や産業には長い歴史があり、そこに住んでいる人たちの財産ですので、それを盛り上げることがコンセプトです。
何かを始める時、例えば海外と国内のように両軸を持つことが必要だと考えています。軸を両輪で持ち、ドメスティックから海外に移っていく考えを持たないと、将来発展するタネをなくしてしまうと考えています。
THE COの場合は、主役である地方の方々と我々の両軸です。私たちは、主役の方々が活躍するステージを10個20個と持ち常に黒子に徹します。だからメンバーの名刺の肩書はみんなプロデューサーとしています。そして、海外にも軸を持てるようになるとよいと思っています。
THE COで実現させたいのは変化を続けながら新しい価値を生み出す日本企業を育てていき、日本全体が活性化することです。たとえば、iPhoneの価値を考えてみてください。iPhoneというものがなければ、GAFAMは生まれていなかったと思います。何か価値基準を打ち立て、そこに面白みを感じ、広がっていこう!という世界観が必要だと思います。新しい意識を持った方がいれば、是非THE COに参画して欲しいと思います。